【TIF ASIA TOUR 2022】のライブレポートをお届け♡今回は『TIF ASIA TOUR 2022 in Spotify O-EAST』をレポート!
世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」が「アイドル」を日本発の独自カルチャーとして広くアジアに発信すべく、2021年より始めた新プロジェクトの『TIF ASIA TOUR』。昨年は、オンラインというスタイルで、日本のライブハウスから、アジアのアイドルたちとをオンラインで結び、ライブ/トーク/映像を介して、”アジアのアイドルシーンの今”を伝えてきた。
今年は「TIF ASIA TOUR 2022」と題し、有観客/オンラインという形を取り、アジアで開催。5月7日にはバンコク、5月15日には台北で実施。6月12日と13日には、池袋harevutaiとSpotify O-EASTを舞台に、東京で2日間3公演行われた。
ここでは、6月13日にSpotify O-EASTで行われた「TIF ASIA TOUR 2022 in Spotify O-EAST」の模様をお届けしたい。
ライブへ出演したのは、Luce Twinkle Wink☆/虹のコンキスタドール/真っ白なキャンバス/わーすた/AKB48 チーム8/でんぱ組.inc。「TIF ASIA TOUR オンライントークセッション」には、BNK48(バンコク)/CGM48(チェンマイ)/Task have Fun(東京)らが登場。他にも、「TIF ASIA TOUR AKB48海外姉妹グループ、海外アイドルビデオショーケース」や「TIF ASIA TOUR VTuberライブショーケース」などが行われた。
オープニングトーク
オープニングトークは、前日に引き続きでんぱ組.incの相沢梨紗が担当。
最初に彼女は、「”TIF ASIA TOUR”とは、TOKYO IDOL FESTIVALが『アイドル』を日本発の独自カルチャーとして広くアジアに発信するべく2021年に立ち上げたプロジェクトです」と説明。
相沢梨紗が、「この日のライブを見た人たちが、アジアのアイドルたちとの架け橋になる」とメッセージを届けたうえで、ライブが幕開けた。
Luce Twinkle Wink☆
イベントのトップを飾って登場したのが、Luce Twinkle Wink☆。彼女たちは幕開けに相応しい、観客たちの心にキラキラした輝きを降り注ぐように、カラフルでポップな『”FA”NTASYと!』を可愛らしさ満載で歌唱。メンバーたちはときめく気持ちやワクワクした刺激を、歌声やダンスパフォーマンスに乗せ、見ている人たち心へ次々と注ぎ込む。Luce Twinkle Wink☆の届けるドキドキ心騒がせるポップチューンが、現実を忘れ、ファンタジックでマジカルな世界へ観客たちを連れ出してゆく。今宵も、夢あふれる楽しい時間が始まった!!
この日のLuce Twinkle Wink☆のセットリストは、すべてアニメソングをセレクト。海外のアイドル/アニメファンたちに向けてのアプローチも嬉しい。
続く『ターミナル~僕ら、あるべき場所』では、凛々しい歌声を響かせ、クールな姿で攻める様を見せてきた。可愛らしさをベースににしながらも、Luce Twinkle Wink☆は1曲ごと、その歌に似合う表情へ自分たちの気持ちも塗り替え、いろんな魅力を伝えてきた。勢いよく攻めた歌声やパフォーマンスを見せた『ターミナル~僕ら、あるべき場所』に触れ、気持ちが熱く高ぶりだす。彼女たちのライブ姿が、その曲に似合う心模様に見ている人たちも染め上げる。
最後は、Luce Twinkle Wink☆の代表曲の『Symphony』だ。キラキラした眩しい輝きを放つ、胸をキュンと踊らせる最高にチャーミングでラブリーなポップチューンだ。彼女たち自身が、ときめきを降り注ぐ女神となり、見ている人たちのハートをずっとドキドキさせていた。甘い視線と笑顔で歌いかけられるたび、その優しい笑顔に心がとろけてゆく。見ている人たちのハートを、甘く愛しい矢で次々と射抜くLuce Twinkle Wink☆。ドキドキを胸に抱えたまま、この日のイベントを楽しめる。まさに、最高のスタートだ。
虹のコンキスタドール
前日には、虹のコンキスタドール予科生が出演。この日は、本科生となる虹のコンキスタドールの登場だ。虹のコンキスタドール予科生も1曲目で『トライアングル・ドリーマー』を披露していたが、まさか本科生となる虹のコンキスタドールも、1曲目に『トライアングル・ドリーマー』を持ってくるとは…。
大所帯のグループのように、彼女たちが描きだす『トライアングル・ドリーマー』は、本当に華やかだ。メンバーがマイクをリレーするたびに、一人一人の歌声や感情の込め方に違いを覚えれば、見ている人たちの心へいろんな妄想も与えてゆく。サビ歌を全員で愛らしく歌ったときの甘い声は、ハートが破裂しそうなほどの嬉しい衝撃。メンバーみんなで飛び跳ね歌う姿からも目が離せない。歌詞に合わせいろんな想い込めた声でメンバーそれぞれが歌うからこそ、いろんな感情の揺れを覚えるたびに一人一人の姿から目が離せなくなる。
ここからは、会場へわちゃわちゃした夏景色を引き込むようにサマーチューンを三連打。彼女たちは、『キミは無邪気な夏の女王』を恋にときめく乙女の表情で歌っていた。だからこそメンバー一人一人の仕種や歌声を追いかけたくなれば、あちこちに目線を走らせる。メンバーたちが大きく手を振る姿に合わせ、フロア中でも大きく手を振り、彼女たちと想いを重ねてゆく人たちが大勢登場。「わたしはわたしを生きてくんだ」と一人一人力強く歌う姿が、眩しく心に焼きついた。
メンバーらの夏空のような爽やかな歌声を合図に、楽曲は『キミは夏のレインボー !』へ。少し甘えた素振りで誘いかける彼女たちの姿に触れていたら、閉じていた心の扉を開け、燦々とした陽差し照りつける夏の野外へ飛びだしたくなっていた。彼女たち自身が夏を彩る眩しい光だ。その輝きが、見ている人たちも夏の輝きを彩る存在に染め上げてゆく、メンバーらは、最高の夏の物語を共に描こうと誘いかける。どんな悲しい経験を重ねようとも、その経験は絶対に光輝く虹に変えていける。そんな風に、彼女たちは心を前向きな色に染め上げてくれた。
「Sukiで Sukiで Sukiすぎるから」「まるごとのアイを今 キミにあげたいのだーっ!」。最後に虹のコンキスタドールは歌声を張り上げ、空高く輝く夏の太陽をグッと引き込むように『ずっとサマーで恋してる』を歌唱。メンバー一人一人のテンションの高さにぐいぐいと巻き込まれ、気持ちが熱く騒ぎだす。真夏の熱い太陽の光のように、彼女たち自身が超絶眩しい輝きとなり、「Sukiで Sukiで Daisuki」な気持ちを愛しい人に向けて降り注いでいた。眩しい恋物語を謳歌するように、華やかに歌い踊りながら、描き出した夏のひとときを思いきり楽しんでいた。
「TIF ASIA TOUR 海外アイドルビデオショーケース」
MCを、相沢梨紗とLuce Twinkle Wink☆の城崎桃華が担当。「TIF ASIA TOUR 海外アイドルビデオショーケース」では、「TIF ASIA TOUR in バンコク」に出場したアイドルたちを、当時のライブ映像を通して紹介。
甘いポップな歌謡ナンバーを可愛い仕種も交えて歌っていたのが、ソロシンガーの「BaifernChan」。ラストアイドルの姉妹グループの「Lastldol Family:Someday」は、愛らしいチャーミングな姿を披露。可愛さを振りまくチャーミングな姿や親しみ覚える楽曲も魅力的。キュンと胸をときめかす「Paintbrush」。元気に満ちた女の子たちが、その輝きを思いきり解き放つように歌い踊る姿も印象的な「Daisy Daisy」。可愛いのにパワフルな魅力も備えた「DEADKAT」は、ロックな躍動感抱いた姿で見ている人たちの胸を熱く騒がせていった。ロック色も加えたパワフルなパフォーマンスを見せる「AKIRA KURØ」も、胸を熱く騒がせたグループだ。天真爛漫な女の子たちが無邪気な姿ではしゃぐ様も印象的。胸に心地好い歌も魅力的な「Hatobito」。FES☆TIVEの姉妹グループとして活動中でFES☆TIVEの楽曲をタイ語で歌っている「SUMOMO」。甘いポップな表情も魅力的。王道アイドルらしさを満載した「Castella」。観客たちと一体化した熱狂を作り上げるパフォーマンスも魅力だ。愛らしく弾ける姿がとても眩しい「Euphonie☆」。高い人気を誇る「Siam☆Dream」は、日本のREADY TO KISSとの姉妹グループ。日本のアイドルソングの良い面も吸収したうえで、独自に昇華した楽曲やライブ姿を見せていた。
「TIF ASIA TOUR オンライントークセッション」
「TIFASIATOURオンライントークセッション」では、バンコクと東京を繋いでトーク。出演したのが、SumomoとSiam☆Dreamのメンバーたち。SumomoもSiam☆Dreamも、昨年に引き続いての出演。前回はオンラインイベントのため、お客さんを前にして歌えなかったが、今年は観客たちを前にしてライブが出来て楽しめたのが嬉しかったことや、バンコクのお客さんたちとの熱い盛り上がりを描けたことについて、日本語で語っていた。
そこへ、Task have Funのメンバーたちもオンラインで参加。彼女たちは、5年前にバンコクでライブを経験。ファンたちの熱狂度がすごく、自分が大スターになった気分を覚えていたと語っていた。
さらに、FES☆TIVEの青葉ひなりと八木ひなたが、ゲストとして舞台へ登場。SumomoとSiam☆Dreamのメンバーたちも交えてトークを行った。SumomoはFES☆TIVEの姉妹グループ。FES☆TIVEがタイでワンマン公演を行ったときにSumomoがオープニングアクトで登場。そのときがSumomoのデビューライブだったと、思い出を語っていた。
真っ白なキャンパス
ふたたびライブコーナーへ。バトンを受け取ったのが、真っ白なキャンバス。彼女たちは明るく弾け飛んだポップロックチューンの『ポイポイパッ』を歌いながら、一緒にわちゃわちゃ騒ごうよと誘いかけてきた。メンバーたちはノリ良い楽曲に飛び乗り、舞台の上ではしゃぎながら、未来にときめく乙女心を愛らしい声で歌いかける。「パッパポイッ」の掛け声を聞くたびに心が晴れ渡れば、胸がドキドキ弾みだす。楽しいが目の前にどんどん広がりだす、この感覚が堪らない!!
力強く駆けだした『全身全霊』に乗せ、彼女たちの気持ちも、どんどん熱くなる。メンバーらは、キラキラ輝く音を撒き散らし走る楽曲の上で、熱情した想いを振りまくように歌っていた。愛らしくチャーミングな姿を見せながらも、自分たちの気持ちがときめくのに合わせ、歌声にもエモーショナルさが増してゆく。彼女たちの気持ちが高ぶれば、見ている側も同じように気持ちを熱くしていける。お互いの感情がシンクロするたびに、フロアのあちこちから熱いクラップが飛び出していたのも印象的だ。
音を止めることなく、ライブは『オーバーセンシティブ』へ。スリリングかつハードな表情から幕を開けた楽曲は、転調したのをきっかけに、跳ねた表情を描きだす。メンバーたちも、気持ちを熱く掻き立てる楽曲の上で、エモさをどんどん増すように歌っていた。心地好い緊張感を与えるライブだ。胸の内に渦巻く感情を、彼女たちが激しい演奏に乗せ解き放つように歌うたび、その凛々しい姿に心や視線が惹き寄せられる。痛い胸の内を吐き出すように歌う姿や揺れ動く心模様を、全部しっかりと受け止めたい気持ちでいた。
最後に真っ白なキャンバスは、いろんな夢の欠片を心の鞄に詰め込みながら、たくさんの希望でパンパンに膨らませるように『PART TIME DREAMER』を歌っていた。これから何か新しいことを始めようとするとき、弱さも知ったうえで夢に向かおうとするときに、真っ白なキャンバスの歌う『PART TIME DREAMER』が気持ちを前へ突き動かすエールソングになる。前を向く気持ちが少し削れたら、この歌を通して欠けた部分へ塗り重ねればいい。きっと、覚めない素敵な夢が、そこに広がっていくはずだ。
「TIF ASIA TOUR AKB48海外姉妹グループ ビデオショーケース」
でんぱ組.incの藤咲彩音と虹のコンキスタドールの鶴見萌がナビゲート。さらに、AKB48 チーム8から坂口渚沙と倉野尾成美が登場。ここからは、「TIF ASIA TOUR AKB48海外姉妹グループ ビデオショーケース」へ。映像を流す前に4人は、互いの出身地の美味しい食べ物を語り合うなど、緩~い会話も繰り広げていた。
ここでは、バンコクで活動中のBNK48、同じく、チェンマイを拠点にしているCGM48を紹介。まずはバンコクで行った「TIF ASIA TOUR 2022」へ出演したときのBNK48のライブの模様を上映。彼女たちはタイ語でAKB48の『ファースト・ラビット』を歌唱。メンバーたちの愛らしい歌声に触れながら、胸がキュンキュンときめいていた。正統派らしい清純なパフォーマンス姿に視線がずっと惹かれていた。
続いてCGM48のメンバーらのビデオレターを紹介。そのうえで、CGM48がタイ語で歌う『前しか向かねえ』のMVも流してくれた。本家AKB48とはまた異なる、タイ語で聞く『前しか向かねえ』も新鮮だが、満面の笑顔を浮かべ、歌い踊ることを楽しんでいるCGM48のメンバーらの前しか向かねえ姿が、胸に元気やパワーを注いでくれた。
ここで、BNK48とCGM48のメンバーがオンラインで登場。BNK48のメンバーは「TIF ASIA TOUR 2022 in バンコク」に出演したときの感想として、「ファンの方々のMIXや声援の声が多く、ずっと踊ってくれたりと、ファンたちとの一体感のあるステージが楽しかったです」「ファンの方々のパワーがすごくて大きかったのを身近に感じれたし、肩車をして応援する熱狂した姿にもパワーをもらった」と語っていた。逆に、BNK48のメンバーがの2人に好きなタイ料理を聞いたところ、藤咲彩音が「ガパオライス」、鶴見萌が「カオニャオマムアン」と語っていた。
CGM48からは、AKB48 チーム8の2人に「ファンの人たちを惹きつけるテクニックはあるか」と質問。坂口渚沙は「ファンの求める想いに応えてゆく」と、倉野尾成美は「身長が小さいので大きく見せるように心がけている」と語っていた。
わーすた
わーすたも昨年に引き続き、今年も「TIF ASIA TOUR 2022」に参加。ライブは、猫耳を付けた可愛い姿がとても似合う曲『いぬねこ。青春真っ盛り』から、スタート。「ねこ ねこ にゃんにゃんにゃん」など、彼女たちの愛らしい様にハートが射抜かれた。メンバーたちも、この会場を”かわいい”空気に染め上げることを楽しんでいた。4人のわんにゃんと愛らしい仕種を魅せる可愛いアプローチにも、胸がキュンキュし続けた。
メンバーらは、リアルイベントに参加できたことを素直に喜んでいた。次に披露したのが、8月17日に発売になるアルバムからのリード曲『マッシュ・ド・アート』。スタイリッシュでアーパン/シティポップな感覚も取り入れた、お洒落ポップな世界観を彼女たちは描きだしてゆく。少しおしゃなま面を見せつつも、スタイリッシュな楽曲とファルセットも交えた歌唱スタイルで、4人は観客たちの視線やハートを釘付けにしていった。
続く『萌ってかエモ』は、エネルギッシュでパワフル、激しくもソウルフルな魂を爆裂させた萌アップチューン。メンバーらは、オラオラした声と躍動したパフォーマンスを通し、エモく挑発。「生きているのさ~絶やすなその火 その光を」と熱く誘いかける。わーすた流のロックな熱い生きざまを、彼女たちは力いっぱい示していた。ときにがなる声を交え、激しく攻めた姿で、見ている人たちをオラオラと刺激。その様に、見ている側の魂も熱く騒ぎ続けていた。
最後にわーすたは、会場中をキラキラしたハピパピな空間へ塗り上げるように『SHINNING FLOWER』を歌唱。見ている人たちを、ファタジックでドリーミーな世界へ連れだし、胸弾むワンダーランドの中で一緒にわちゃわちゃ戯れていた。短い時間の中とはいえ、いろんな歌の表情を見せながら、4人はわーすたの世界へしっかりと引き込み、見ている人たちをくしゃくしゃの笑顔にしてくれた。彼女たちに「SUKI SUKI キミを」と指差し歌われるたび、4人が高く手を振り上げ力強く歌うたびに、一緒に振りを真似ながら輝きの花を咲かせたい気持ちでいた。
「TIF ASIA TOUR VTuberライブショーケース」
相沢梨紗と鶴見萌、城崎桃華が登場。3人は 「TIF ASIA TOUR VTuberライブショーケース」を通し、数多くのVTuberたちを紹介。
<NHOT BOT>
トップを飾ったNHOT BOTは、中国で大人気の日本人VTuberたちが集まったグループ。日本と中国を中心にグローバルな展開を描くために1年間限定で活動中。歌ったのがデビュー曲『明日君の手を握れたなら』。彼女たちの歌う楽曲は、恋する乙女の初な心模様を歌詞に描写。引っ込み思案な気持ちを少しだけ前へ押し出す、アイドルソングらしいキャッチーなポップチューン。メンバー一人一人の特徴的な声やセリフにも惹かれるが、みんなで心を一つに一途な想いを打ち明けるように歌う姿も、胸をときめかせた。
<奏みみ>
ソロアイドルとして活動中の奏みみ。最初に披露したのが、影山ヒロノブの手による「MiMi the Super Cat」。ポップな要素も満載、アニメのオープニングが似合いそうな、アッパーで開放的な歌始まりのロックナンバーだ。混じり気のない爽やかで明るいロックな曲調からは、影山ヒロノブ/JAM Project節も感じさせる。触れた瞬間から拳振り上げ一緒にワイワイ騒ぎたくなる、胸を熱く騒がせるライブだった。
次に披露したのが、5月にリリースしたばかりの新曲『バイプレイヤー・スター』。アーバン/シティポップな要素も押し出した、スタイリッシュなポップチューンだ。少し大人なムードも醸しだす楽曲の上で、意外と泥臭い生き方を歌う。むしろ、夢に向かう真っ直ぐな気持ちを綺麗に洗うことなく届けることで、より共感度を強く覚えていた。自身の気持ちを着飾ることなく、お洒落な楽曲に乗せて歌う。その心地好いバランス感も素敵だ。
<まりなす>
まりなすのライブは、最初からアゲアゲでアッパーなダンスナンバーの数々を歌い踊りなからスタート。メンバーたちも「最初からアゲアゲでいくぜー!!」と叫んでいたように、次々とDJメドレーのようにアッパーでトランス/エレクトロな楽曲をブーストしてゆく。曲が変わるたびに、メンバーのヘアタイルやメイク、衣装も次々変わるところは、VTuberアイドルだからこその魅力。イベントライブということで、次々と楽曲の表情を短いスパンで変えながら。でも、ズッとBPMの速いアッパーなノリをキープ。一度上がった気持ちを落とすどころか、どんどん熱してゆく。最後には、とても晴れたポップチューンも披露。身体を熱く騒がせるだけではなく、彼女たちは胸に眩しい青春模様も注ぎ込んでいった。
最後にまりなすは、『CANDY HAPPY LOVE PARADE』をフルサイズで歌唱。この曲でも幸せな歌声を降り注ぎながら、見ている人たちをHAPPYな世界へ連れ出していった。腰揺らすダンサブルな楽曲も刺激的だが、触れている間中、ときめいた気持ちにずっと染め上げてゆくポップな歌も魅力的だ。
まりなすは、短い時間の中へ、いろんな持ち味を濃縮。このライブに触れたことで、もっともっとその魅力を知りたくなった。
<GEMS COMPANY>
このコーナーの最後を彩ったのが、GEMS COMPANY。この日に登場した中でも、一番アイドルグループらしさを発揮、青春模様を満載した曲を歌うライブアイドルたちのような、胸弾む、わちゃわちゃしたライブパフォーマンスを、彼女たちは『CHANGENOWAVE!!!!』を通して見せてきた。エレクトロな要素を組み込んだ楽曲も、ライブパフォーマンスも、歌唱スタイルも、ライブアイドルのライブを体感しているのと同じ感覚だ。メンバーみんなで無邪気にはしゃぎながら歌う様も、見ていて眩しい。そのうえで、バーチャル空間を舞台にしているからこその曲に合わせた背景演出など、楽曲を通して伝えたい想いをより具現化してゆくところもGEMS COMPANYの魅力だ。
続く『ゴールデンスパイス』は、フロア中の人たちをパーティームードへ引き込む、スリリングかつソウルフルでファンキーな胸キュン青春ダンスチューン。彼女たちに誘われるまま、華やかな宴の中、少しスパイシーな刺激も覚えながら熱狂に溺れたい。メンバーらにイケイケな声で「もっともっと楽しもう」とせまられるたび、めろめろに溶けてしまいたくなる。GEMS COMPANYの作りあげるHAPPYに満ちたPARADISEへ、このままずーっと溺れていたい。
ここからは、VTuberたちが次々と挨拶。この日は、「こんばんミルミル~」の挨拶も印象的な、バイリンガルアイドルVTuberの「杏仁ミル」。同じくバイリンガルで、ベトナムの高校生アイドルであり、本当はアイドルの皮をかぶったスーパーヒーローの「暁バンマイ」が、先に挨拶。
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHのメンバーである「恋汐りんご ぁ〜ちゃるモード屋さん♡」が、胸キュンなアイドル姿で自己紹介。地球を救うスーパーVTuberの「マキシマムえいたそVちゃん」が世界の幸せを願えば、最後に元、虹のコンキスタドール/でんぱ組.incの「根本凪」が、VTuberとてして活動してゆくことを改めて述べていた。
AKB48 チーム8
クライマックスに向けて、会場をふたたび熱狂で包み込むように登場したのが、AKB48 チーム8。ライブは、AKB48の最新シングル『元カレです』からスタート。彼女たちは切れ味鋭い動きを魅力に、細かいフォーメーションプレイを次々とダンスの中に描き加えてゆく。切れ味鋭さの中にも、AKB48 チーム8らしい愛らしくも親しみ覚える姿を示しながら、AKB48 チーム8のメンバーたちはフロア中の人たちの視線を釘付けにしていった。
続く『RUN RUN RUN』でメンバーたちは、AKB48 チーム8らしい明るく爽やかな歌を届けてくれた。彼女たち自身が、AKB48 チーム8の活動を通して、つねに青春を描きだしている。その魅力を、この日もメンバーたちは『RUN RUN RUN』を歌い踊りながら、目の前に描きあげていた。
ドキドキする想いをさらに膨らませるように『抱きしめちゃいけない』を歌唱。青春を彩るいろんな景色の数々が、彼女たちのライブ姿を通し、頭の中のスクリーンへドラマを映し出す。AKB48 チーム8の歌を通して、いつの間にか淡い恋心抱いた物語へ感情移入。ちょっぴり切ない気持ちも覚えながら、愛らしい笑顔浮かべ歌う彼女たちの眩しい姿を、目を細めながら追いかけていた。
AKB48 チーム8の顔とも言える『47の素敵な街へ』の登場だ。この曲を耳にするたび、ニヤニヤする気持ちを抑えられない。彼女たちが歌を通して伝える「会いたい」想いを受け止めるたび、その日、その瞬間ごとに生まれる素敵な思い出の景色を、胸の中のフォルダへ収めたくなる。
AKB48 チーム8も、この会場へ胸騒がせる夏の風を呼び入れた。彼女たちはAKB48の『真夏のSounds good!』を歌いながら、心が騒ぐまま、無邪気で明るい笑顔を浮かべ歌っていた。一人一人が、五線譜の上で弾ける夏音の音符たちのようだ。
最後にAKB48 チーム8は『そばかすのキス』を歌唱。この空間に作り上げた夏の楽しい物語へ、彼女たちはキュンと胸をときめかす青春の一場面を描き加えだす。彼女たちが届けてくれた、淡い夏のキスのような歌声を聴きながら、心が少し赤らんでいた。
でんぱ組.inc
最後を飾ったのが、でんぱ組.inc。ライブは、この会場を爆裂した祭り会場へ一気に染め上げ、観客たちのテンションもMAXまで引き上げるように『でんぱれーどJAPAN』からスタート。いきなり、ライブのクライマックス気分を味わえたのが嬉しい。身体中から騒ぎたいパワーがどんどん沸きだす。舞台の上でわちゃわちゃと動くメンバーたちの発信するアゲな電波に、観ている人たちも沸き立つ感情のチューニングを合わせて熱狂。身体を揺らしながらも、彼女たちの姿を見逃すまいと、ずっと舞台上へ熱い視線を向けていた。
この日のでんぱ組.incは、ジャパニーズな色を濃く出した楽曲を並べてアジア中の人たちへアプローチ。『千秋万歳!電波一座!』でも彼女たちは、超絶わちゃわちゃした和ダンスな電波ソングを、思いきり放電するように歌い踊っていた。古の大衆喜劇が、でんぱ組.incの手にかかったとたん、はちゃめちゃに楽しいポップなエンターテイメントショーへと昇華。彼女たちは、次々と曲の表情を転調しながらお転婆な登場人物たちの姿を描き続けていた。いろんな見どころを、パラパラとページをめくるよう次々と映し出してゆくところもでんぱ組.incらしさ。どんどん様変わる彩り豊かではちゃめちゃな舞台劇を、倍速感覚で楽しんでいた。
これまでのパッション満載のアゲなスタイルから色を塗り替えるように、『あした地球がこなごなになっても』で彼女たちは、甘い仕種も交え、愛らしい歌声を重ねあわせ、見ている人たちをメンバー一人一人の心内側に広がる感情世界へ引き寄せていった。秘めた胸の内を、彼女たちは淡い歌声に乗せ薄いフィルター越しに届けてゆく…はずが、いつの間にか、温かい歌声で心を直接、優しく撫でていた。
「日本からアジアに向けて、みんなの元気をたくさん届けていこう」の相沢梨紗の言葉を合図に、最後にでんぱ組.incは『でんでんぱっしょん』を歌唱。ハイパーに弾けた電波ソングに乗せ、彼女たちがわっしょいはしゃぎだす。サビでは、メンバーたちがリボンを用いたパフォーマンスも披露。身体にチャージしていたパワーをフルに使い切るくらいの勢いで、彼女たちはエナジーを放電してゆく。終盤、短いブレイクをはさみ、大団円に向かって一気に放熱してゆく様に観客たちも刺激を受け、彼女たちと一緒に熱い想いを身体中から解き放っていた。
エンディング
最後に、この日出演した出演者たちが舞台に集合。各グループから代表でメンバーが感想を述べたうえで、この日のイベントを。2日間に渡った「TIF ASIA TOUR 2022」の幕を閉じていった。この続き、また来年も味わいたい。
PHOTO:加古伸弥
TEXT:長澤智典
編集:mana
写真:(C)DearStage