XANVALA、ワンマンツアーファイナル新宿BLAZE公演をレポート!次に追い求める理想郷は、2023年8月31日の恵比寿LIQUIDROOM公演だ!!
5月より始まった全国ワンマンツアー「XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」も、8月27日(土)の新宿BLAZE公演でついにファイナルを迎えた。チケットはSOLD OUTを記録。彼らが積み重ねてきた経験は、しっかりと花咲く結果を導いた。開演前からフロア中に立ち込めていた期待に胸が踊る熱気。この空気が堪らない。
闇に包まれた会場へ流れだすSE。舞台前の幕が開くのに合わせ、メンバーたちが奏でたのが『独善』だ。彼らは冒頭からフロア中のΛ(観客)たちへ轟音の洗礼を浴びせだす。“最初から理性など投げ捨て、拳を高く振り上げ、心を野生に暴れろよ”と、いつものように熱い誘いをかけてきた。この日はVISIAL EFFECTで「NAIFF」が入っていることもあり、メンバーらの荒ぶる感情とシンクロするように、感情の色を具現化したレーザーや照明が作り込まれていた。メンバーらが心の牙を剥きだしに挑みかかる姿に合わせ、フロア中へ無数のレーザーの光が飛び交う。この日は、聴覚・視覚・感覚面で一層研ぎ澄まされた世界を味わえそうだ。
「約束を果たしに来た。さぁ、お前の夢の形を見せてくれ」身体を大きく揺さぶり、派手なアクションを見せながらギターを掻き鳴らすYuhmaの姿が印象的だ。続く『デスパレート』でも、フロア中のΛたちが高く掲げた拳を下ろすことなく、心の中でメンバーらと一緒に声を張り上げていた。胸の奥底から、熱い衝動が何度も沸き起こる。この感情をぶちまけたい。メンバーらの叫び声に合わせ、共に心を解き放ちたい。
轟音を振りまくのがXANVALAのスタンダードなスタイルなら、それを、さらに黒く重い衝撃音として具現化したのが『Bamby』や『ratchet』だ。轟音の洗礼を浴びせ、フロア中のΛたちをヘドバンの権化へ変えてゆく。激熱でキャッチーな『Bamby』のサビ歌に合わせ、拳を振り上げ、その場で大きく飛び跳ねるΛたちの姿も印象的だ。『ratchet』のリフやリズムに合わせ、身体を小刻みに揺らし演奏するメンバーらの姿も勇ましい。終始ヘドバンや折り畳みをしながらカオスな音に酔いしれる。この感覚が欲しくて。XANVALAのライブにこの身を捧げたくて、彼らの元へと集う人たちがこうやって増えてきた。最高じゃない、君たちの導きだした、その答えが…。
「この場所へ帰ってくる強い意志があったから、ここまで走り続けてきました。俺たちらしい素敵な空間を作れたらなと思います。強くなったすべてを、君にぶつけにきました。行く先々で君たちが俺たちを支えてくれた。今日はその恩返しきました。最高に楽しくて笑える日にしようか!!」(巽)
「笑ってくれるかい!!」巽のがなるような声へ導かれるように、演奏もノイズ交じりの轟音を響かせだす。巽は沸き立つ気持ちを声に乗せて突き刺すように『joke』を歌っていた。抑揚する巽の歌声に、重厚な音で寄り添う演奏陣。その音に刺激を受け、フロアのあちこちでΛたちが頭を振り乱し、高く掲げた手を大きく揺らしていた。
「さぁ、落ちていこう」巽の歌を合図に始まった『左耳の悪魔』を通し、XANVALAは観客たちを闇へ落すのではなく、さらに高陽した気持ちを与え、バネの壊れた人形たちのようにΛたちの身体を跳ねさせていた。間奏で見せた、ギターソロを奏でる宗馬に絡む70.の姿。さぁ、もっともっと熱狂に包まれアガっていこうか!!XANVALAは『モナ・リザ』を通しΛたちへ殴り倒すような轟音をぶつけ、意識を遠ざけ、ただただ恍惚に酔わせていった。
エレクトロでダンサブルな同期音を背景に、70.と知哉のリズム隊が強烈なダンスロックを描きだす。その演奏に刺激を受けその場で手拍子をするΛたち。荒ぶるギターの音が印象深いフレーズを突き刺すのに合わせ『ヒトリ舞台』が始まる。感情の鎖を解き放ったΛたちは、音が途切れるまでずっと跳ね続けていた。
XANVALAは、このブロックで『ヒトリ舞台』『ジャノメ』と、メロディアスな激熱感情高陽歌を立て続けに繰り出した。ライブという場を通し、触れた人たちをXANVALAの虜にしてきた曲たちの持つインパクトと破壊力は,本当に凄まじい。『ジャノメ』では吹き上がるCO2によって舞台上で白い噴煙に包まれる景色も登場。舞台上の巽は、Λたちを熱狂へ導くコンダクターだ。フロア中のΛたらが、巽の歌声へ導かれるままに感情を振り乱し騒ぎ続けていた。
踏み切りの音が流れだす場内。知哉のドラムの音を合図に、これまで以上に破壊的な音を響かせ、『ケ・セラ・セラ』が飛びだした。凄まじく速く重厚な演奏なのに、巽の歌声がとても耳心地好い。カオスと高揚など、いろんな要素が1曲の中で交錯しあう楽曲だ。常識を逸脱したところで生み出される狂気や破壊的な衝動が、今のXANVALAの個性を形作る一つの要因になっている。その様を、『ケ・セラ・セラ』が示してくれた。
同じ激しさでも、XANVALAはミドルメロウな『ゆらゆら』を通しゆったりと。でも確実に重いうねりの中へΛたちを巻き込み、闇の底へ底へと引きずり落していった。リズムに合わせ深く身体を折り畳み、重厚な演奏に溺れてゆくΛたち。その姿も印象的ならマイクを強く握りしめ、揺れ動く感情を振り乱すように歌い狂う巽の姿も印象深く見えていた。
ミラーボールに反射した白い光に包まれた場内。その空間へ「いかないで」と嘆くように歌う巽の声が響き渡る。楽曲は『Dearest』へ。XANVALAの中では、数少ないメロウな歌だ。曲を落したとたん、『Dearest』も凄まじい熱と刹那を孕んだ楽曲として、その存在を突きつけていた。曲を重ねるごと巧みに想いの景色を塗り替えながら、XANVALAは気持ち揺らす物語を次々と見せてゆく。
「君らが目の前で楽しそうに笑っている姿を見ると、この瞬間が永遠に続けばいいなと思います」「何かで一番になったり、自慢出来ることもありません。それでも、俺にしか言えない言葉や歌があると信じて、今日もここに立っています。その言葉があなたの元に届いたら幸せです。まだまだつかみたいものがあるから、前に進み続けます」(巽)
次に届けたのが、この日の会場で無料配布した新曲の『アーティスト』。ヒステリカルな跳ねた演奏の上で、巽が自らの感情を前へ前へと突き動かすように「私は今も、此処にいる」と『アーティスト』を歌っていた。みずからの存在する意味を。XANVALAがΛたちと共に掲げた夢に向かって突き進む意志を示すように、巽は心の声をすべてこの曲に乗せて歌っていた。両手を広げ、その想いを受け止める人たちの姿が、フロアのあちこちにあった。
ライブもクライマックスへ。『キネマ』の演奏に合わせ、手にした扇子を振りまわし、身体を大きく揺さぶるΛたちがフロアのあちこちに登場。終始沸き立つ感情を上げ続け、エモい空間の虜にしてゆく楽曲だ。演奏に合わせ揺れ続ける扇子の波も,とても華やかだ。XANVALAは、夏を舞台にした『キネマ』を通し、この夏はXANVALAとΛたちのためにあった日々だったと伝えるように、Λたちの心に思い出を焼きつけていった。
超アッパーでエモい、高陽シンガロングナンバーの『ΛLIVE』では、巽の歌声に合わせ、フロア中で熱いクラッフが飛び交う。「届いてくれ」と歌う巽の歌声をつかむように、フロア中のΛたちがその場で高く飛び跳ね、大きく手を伸ばし、この空間に生まれた熱情を分かち合っていた。
互いに手を結び笑顔で戯れる姿も大切だ。でもXANVALAには、鋭い心の牙で互いに感情を剥きだしに噛みつきあう姿こそが一番似合う。「確かに俺たちは今、一緒に生きている。生きていくことこそ、わたしの聖なる戦争だ」最後にXANVALAは『聖戰』を叩きつけ、フロア中のΛたちの理性を壊し、熱狂に溺れる獣たちにしていった。理性で行動するんじゃない、本能が導くままに身体や、心を動かしてゆく野獣に変えてゆく。会場にいるほとんどの人たちが激しく身体を折り畳み、大きく両手を広げ、熱狂に溺れていた。これこそが、XANVALAのライブにいつも満ちている”互いに生きる喜びを分かち合う”景色だ。本能と本気をぶつけあう中で感じあえる、魂を奮わすこの気持ちこそが、XANVALAのライブで生を謳歌している確かな証だ。
「素晴らしい景色をありがとうございます。決まったときは現実味もなかったけど、やってみたら思ったほど緊張しなかったです。24本やってきた景色と何か変わらないのに安心しまた。ここがスタート地点だと思っているので、これからもよろしくお願いします」(知哉)
「新宿BLAZEのステージは、僕のワンマン人生の中で一番大きいところ。こんなにたくさんの方々からの拍手を通して、人生の中で一番大きな音を聞けて感動でいっぱいです。今日は遊び心を押し殺してずっとギターを弾いてます。僕のリミッターが外れたらお許しください」(Yuhma)
「続けてきて良かったなと思います。これからも僕らは爆進していきます。一緒に人生を楽しんでいきましょう」(宗馬)
「ほんとに嬉しくて『ΛLIVE』でボロ泣きしたわ。感動させてくれてありがとう。ここは俺らにとって特別な場所。この時代にバンドをやるのは馬鹿みたいなこと。でも、馬鹿でいいんだよ。夢をいつまでも持ち続ける格好いい馬鹿でい続けます。すごい道を君達に示していく。これからもXANVALAを見続けていてください(70.)
「関わってくれた人たちすべてに感謝しています。ここまで来ました。なにもかもあきらめようしとしていた人間が、ここまで来ました。夢を追うこと。それは耐えることだと以前は思っていました。苦しいことやつらいことばかりの中、それを耐えることが、俺にとって夢を追いかけていくことでした。でもXANVALAを始めてから、夢を追うことが楽しくてやめられない。あなたが、俺たちを見つけてくれた。そのせいで楽しくてやめられないんだと思います。まだまだXANVALAは続きます。2年半前、に(新宿BLAZEのステージにイベントを通して)ここに立ったとき、もう一度ここに戻ってくる。ここでワンマンライブをすると誓いました。最初は途方もない夢だったけど、みんなを信じて自分たちの足でここに帰ってきたぞ。俺たちの正しい道をいこう」(巽)
「ここが俺たちの理想郷だ」アンコールは、巽の叫び声を合図に『XANADU』からスタート。ギラギラとした極彩色の音を振りまきながら、XANVALA流のロックを突きつけ、フロア中に 数多くの拳が突き上がる理想郷を作りあげていった。跳ねたリズムに合わせ2STEPを踏むΛたち。凄まじいレーザーの輝きが舞い踊る中、彼らが求めた理想郷を今ここにしっかりと描きだしていた。ここは、XANVALAが求めた理想郷の一つ。でも,その先に広がる次なる理想郷へ向かうためにクリアすべき1st STAGE。その舞台を最高の熱狂でXANVALAは制覇していた。
エモい歌系ビートロックチューンの『DAYS』でも、疾走する演奏に合わせ、フロア中から突き上がった拳が揺れ続ける。XANVALAには珍しい輝きに向かって想いを解き放った明るい楽曲だ。このキャッチーさも嬉しい魅力。でも、やっぱしXANVALAのライブは轟音に身を預けてこそ。「
俺たちは、君が見つけてくれたこのバンドを死ぬ気で守ります。
また何度でもここから始めよう」XANVALAは始まりを告げた『鮮やかな猛毒』を通し、ふたたび轟音の洗礼を浴びせていった。頭をザンバラと揺らし続けるこの光景が堪らない。もう少し側にいて、この熱狂に激しく微睡んでいたい。
「俺たちと同じ夢を見ることがあなたにとっての幸福だと言ってくれるよな。この曲が,俺達とお前の為の幸福論だ」XANVALAは『誰が為の幸福論』を歌い奏でながら、共に熱情を分かち合っていた。ΛたちがXANVALAというバンドを選び、彼らの夢を一緒に追いかける意志を示した理由は、XANVALAの歌が魂を熱く揺さぶるからだ。生きてく意味や理由を示す想いも大切だ。それ以上に、一つ一つの歌が魂を歓喜に導いてゆく。いつだって彼らの歌は、心を笑顔にしてゆく。体感的な衝動も大切だが、それ以上に心を楽しい色で隅々まで染め上げてゆく、その音楽に惚れ込み、XANVALAと一緒に理想郷を求めようと、こんなにもたくさんの人たちが集まった。その気持ちを、改めて思い返していた。
XANVALAは最後の最後に『CREEPER』を全力で叩きつけ、フロア中を暴れ騒ぐ狂乱の宴の場に染め上げていった。誰もが理性を消し去り、髪の毛をザンバラと振り乱しながら、熱狂にその身を焦がして逝った。
やまない拍手を受けダブル・アンコールとしてXANVALAは『悪辣が君を襲う』を演奏。最後の最後まで激しく乱れ狂う楽曲を突きつけ、サ バラと頭振り乱すこの興奮をΛたちの身体へしっかりと焼きつけ、この物語を次のステージへと繋げていった。
次にXANVALAが掲げた大きな理想郷が、2023年8月31日(木)に恵比寿LIQUIDROOMで行うワンマン公演だ。その頃には、キャパちっせぇなと言えるライブになっていることを信じながら、これからも5人と歩み続けたい。
photo by @a_kwsk_1985
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
【XANVALA ONEMAN TOUR】
「ANS」#1 “ANNIVERSARY”
2022
12/4(日)新潟CLUB RIVERST
12/11(日)金沢gateBlack
12/14(水)札幌CrazyMonkey
12/15(木)札幌CrazyMonkey
12/18(日)仙台spaceZero
2023
/9(月祝)福岡graf
1/11(水)広島SECOND CRUTCH
1/12(木)岡山IMAGE
1/20(金)心斎橋soma
1/21(土)HOLIDAY NEXT NAGOYA
《TOUR FINAL》
1/31(火)渋谷clubasia
#2 #3
COMING SOON
《GRAND FINAL》
8/31(木)恵比寿LIQUIDROOM
▼LIVE SCHEDULE
▼INFORMATION
■セットリスト
『独善』
『 デスパレート』
『Bamby』
『ratchet』
『joke』
『左耳の悪魔』
『モナ・リザ』
Dr.Ba.リズムソロ
『ヒトリ舞台』
『 ジャノメ』
『ケ・セラ・セラ』
『ゆらゆら』
『Dearest』
『アーティスト』
『キネマ』
『ΛLIVE』
『聖戰』
-ENCORE-
『XANADU』
『DAYS』
『鮮やかな猛毒』
『誰が為の幸福論』
『CREEPER』
-W ENCORE-
『悪辣が君を襲う』