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【第二弾】『アイドルとおしごと』 天音みほ × 映像ディレクター アオキタクト

dot yell編集部
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dot yell web編集部が独占!アイドルを輝かせる“バックステージの魔法使い”達に、アイドルが直撃取材する新連載第二弾! 

『アイドルとおしごと』は、現役アイドルがdot yell webのレポーターとなり、エンタメ業界の最前線で仕事をしているクリエイターやスタッフに取材をする企画です。アイドルを陰から支えているクリエイター達について、「どんなお仕事をしているのか」「仕事に対する情熱」「どうやってその職業についたのか」など、取材を通じて貴重な体験談を読者にお届けします!

第二弾は映像ディレクターのアオキタクトさんに、天音みほさんが直撃取材!

二人に共通する“芸人”としてのマインドとは!?2024年2月に劇場公開されたファンムービー『シノアリス 一番最後のモノガタリ』の制作秘話も明らかに!

インタビュースタート!

天音 改めまして、ディアステージの天音みほです。よろしくお願いいたします!

アオキ 株式会社イルカで映像ディレクターをやらせていただいております、アオキタクトと申します。よろしくお願いします。

天音 よろしくお願いします!アオキさんとはお仕事で何度かご一緒させていただいているのですが、『アイドルとおしごと』ということで、アオキさんが映像ディレクターとしてどんなお仕事をされているのかいろいろとお話をお伺いできればと思います。早速ですが、現在は主にどういったお仕事をされているのでしょうか?

アオキ 最近だとゲームのPVやオープニング映像とか、ゲームに関連する映像制作の仕事が多いですかねー。

天音 それは、どういう内容にするのかシナリオや演出など全部考えるということですか?

アオキ 案件によりますね。ある程度クライアントから指示があるときと、大体の方向性だけ決まっていて、具体的なところはこちらから提案しながら進めるときがあります。でも、考えて提案して欲しいと言われる事の方が比較的多いのかなと思います。

天音 それはやっぱり信頼されているからですか?

アオキ そういうことにしておきましょうか。笑

バンドを辞めて独学で映像制作を始める!?

天音 映像制作をやってみたいと思ったきっかけは何だったんですか?

アオキ すごく遡ってしまうのですが、若い頃に音楽をやっていて、バンドを組んでいたんですよ。それで、20代の後半くらいになって色々としんどくなってきて「バンドはもういいや……」と思ってしまいまして。笑

天音 辞めちゃったんですか!?そこからどうやって映像の世界に……?

アオキ そこから、バンドじゃできないことをやりたい、一人で何かをやりたい、と思うようになったんですね。パソコンで手軽に音楽も作れる時代になってきていましたし、バンドという形にこだわらなくてもいいのかなと。それで、いざ曲を作ってみたらこの曲を発表する手段が欲しくなっちゃったんですよ。当時はYouTubeすら存在していない時代で、ただ音楽だけ出しても誰も聴いてくれないなと。でも、自作の音楽に自作のPVまでついていたら注目してもらえるんじゃないかと思いまして!

天音 しかも自分で好きなように映像の内容を決められるということですね!

アオキ 元々いろいろなPVを見るのが好きだったし、ちょうどその頃、個人でも映像を作れるようなソフトとかが出始めていた時期で。昔は一人で映像を作るなんて夢物語でしたけど、あれ、これ作れるんじゃね?って思ったんです。で、じゃあいっそ、自分でP V作っちゃえ!と。笑 

それで独学で映像作りを勉強していったんですが、どうせならストーリー仕立てのPVがいいなと思い始めて……それでストーリーも考えてみたんですよ。見様見真似で脚本書いて。ただ、やっぱり素人なので短くまとめることができなくて、最終的に38分くらいの脚本になっちゃったんです。笑 まずは「この曲をエンドロールで流す!」と決めて、作曲から始めました。

天音 曲のPVということは、普通は3分とか5分とかですよね?38分はもう短編映画の長さですね。笑

アオキ そうなんですよ!主人公を出したらそれに敵対するキャラも欲しいよね、それを助けるキャラも……とか、いろいろ考えていったら長くなっちゃって。

天音 それが最初に作った作品ということですか?

アオキ それが最初に作った作品ですね。自主制作の3DCGアニメーションで40分弱の処女作。笑

天音 すごいですね!

アオキ いま考えてもちょっとどうかしているなと思います。笑

天音 初心者なのに高い山を登るみたいな。

アオキ でもそのくらい無茶なほうがウケるかなって考えたんですよね。笑

天音 普通と違うことをしてみようという発想ですね。

アオキ 1分くらいだったら、まあそんなもんだよねって納得されちゃうというか。「こいつどうかしてるな」って思われないと注目されないと思ったんですよね。なので、いきなりかなりの大作計画になっちゃったんですけど、「まあいいや作っちゃえ!」と。笑 やった事ないから、どれほど大変か分かってない。怖いもの知らずですよ。

初めて作った映像作品でコンテストに入選!

天音 その映像はどこかで発表というか、公開されたんですか?

アオキ 去年で終了してしまったのですが、DoGA CGアニメーションコンテストという国内で一番古いコンテストがありまして、それに応募させていただいて賞をいただきました。

天音 すごいですね!初めて作った作品で賞をいただくなんて!

アオキ 才能があるんだね〜。ワッハッハ!笑 ……まあ、実際は一番下の入選とかだったと思います。

天音 大体の方は、落選したり何度も繰り返し応募したりとかするものですよね?

アオキ そうですね。そのコンテストは若手映像ディレクターの登竜門的なものになっていて、そこで受賞した方々には、今も映像業界で活躍していらっしゃる方々がたくさんいます。僕も端っこの方ではありますが、その末席に座らせていただいた感じです。で、その受賞をきっかけに、少しずつお仕事としてやってみないかと声をかけていただけるようになりました。完全に映像制作を専業にできるようになったのは30歳くらいですね。

天音 そんな物語があったんですね。

有言実行!

天音 アオキさんは、映像ディレクターではなく監督になりたいと思ったことはなかったんですか?

アオキ 実写映画の監督のようなイメージですかね?僕は「一人で全部作りたい」という気持ちがあったので、チームワークで作るような仕事はあまり考えていなかったですね。バンドでチームワークに疲れてしまっていたし。笑

天音 一人で作りたいと。

アオキ そうですね。それで、1年くらい引き籠ってCGを覚えて、さらに1年くらい引き籠って38分の映像を制作しました。バイトはしていましたけど、バイトの時間以外は全部それ。

天音 2年かけてCGを覚えて約40分の映像を完成させたんですね。すごいです!

アオキ 周りからはすごく心配されました。笑 バンドやっていたと思ったら辞めて、引き籠って2〜3年くらいずっとパソコンだけをやっているという……。

天音 バンドとは全然違いますもんね。

アオキ 後に友達から「アオキは人生捨てたんだなって思ってたよ」と言われました。笑 自分が何をしているのか、周囲にほとんど言わなかったですからね。最初、何人かに「実はアニメーションを作ろうと思ってるんだ」って話をしたんですが、みんなポカーンとしていました。なんの知識もない人間が急にそんな事を言い出したら普通はそういう反応になりますよね。

天音 でも、有言実行されたということですね!

アオキ いや、最初は有言実行しようと思ったんですが、まるで信じてもらえなさそうだったんで、むしろ不言実行に切り替えた感じ。笑

映像制作をする上で絶対に忘れてはいけない事を教えます。

天音 映像制作をしている間は挫折とかはなかったんですか?もしくはもう一度バンドに戻りたいとか。

アオキ 映像を作る作業自体は楽しかったから、挫折はなかったですね。いい加減早く完成してくれと思ったことは何度もありましたけど。笑

天音 初めてなのに40分もある映像を作ってるんですもんね。

アオキ 一番しんどかったのは、完成直前になってそのデータが入ってるハードディスクがクラッシュした時です。当時は素人だったので、まともにバックアップも取っていなくて、本当に全部飛んじゃったんです。

天音 なんと……そこで挫折を味わったんですね。

アオキ 頭が真っ白になりましたね。それで、業者さんに頼んでデータをサルベージしてもらって……30万円くらい払いました。当時はバイトですよ!?とんでもない大金ですよ。

天音 じゃあそのバイトで貯めたお金で30万円を……?

アオキ 貯金なんかあるわけない!笑 借金です、借金! それでサルベージしてみたら、奇跡的に致命傷は避けられていて。「これはまだなんとかなるぞ!」と。断片的なボロボロのデータをつなぎ合わせて、なんとかコンテストに間に合わせました。たしか、コンテストの締め切り1ヶ月くらい前だったと思います。

天音 ほぼ1ヶ月で作り直したということですか!?

アオキ バージョンが古いカットしか残ってないから、それを少しだけ直して使う、とか。最大限目をつぶって完成させました。「この曲をエンドロールで流す!」と思って作った作品なのに、その肝心の曲がデモバージョンになってしまった。笑 でも、コンテストが1年に1回しかないので、絶対に出したいと思って。

天音 それは間に合わせるしかないですね。

アオキ 当時は28歳か29歳で、自分が何者になれるのかもわからない不安の中で過ごしていたので、あと1年これをやるのは絶対に無理!と思って。

天音 バンドをやめて手探りで映像の勉強をしている時期ですもんね。

アオキ 貯金もない、バンドも辞めた、映像作家としての実績もない、未来への展望もない。あるのは借金だけですからねえ。笑

天音 絶望して、それでもなんとか提出した作品が賞をもらったんですね!それだけで本が出せそうなストーリーです!

ディレクターに向いているのはどんな人?

天音 シノアリスのファンムービーは制作期間がすごく長かったと聞きましたが、それだけ長い間熱意を持って作業していたのですね。

アオキ あれは全部で4年くらいかかっているんじゃないですかね。

天音 私も少しだけ関わらせていただいて、その節はありがとうございました。

アオキ こちらこそ、本当にありがとうございました。

天音 声優とモーションキャプチャーの方も関わらせていただいたんですが、シナリオやモーションのディレクションもアオキさんがやられていましたよね?すごく多岐に渡られるお仕事ですね。

アオキ だからね、映像ディレクターなんかやらない方がいいですよ!笑 観るのは一瞬。作るのはやたら手間ばかりかかる!お仕事紹介的な企画なので、この仕事の素晴らしさを語るべきなんでしょうけども……。

天音 きっとこれを読んで下さっている方の中に映像ディレクターを目指している方もいらっしゃると思うので、ぜひ良いところもお話ししていただけたら嬉しいのですが……。

アオキ 新人さん達に、将来何になりたいか聞くと、「ディレクターになりたい」って言う人が多いんですよ。弊社は主にゲームを作っているので、ゲームのディレクターも含めてですけどね。その時に僕は毎回必ず「やらない方がいいよ」って言ってます。笑

天音 オススメしないんですね。笑

アオキ オススメはしていないですね。大変というのもあるし、向き不向きが極端な仕事なんですよね。

天音 どういう人が向いているとかあるんですか?

アオキ 『それしかできない人』じゃないですかね。得意だからやってる、とか言ってるうちはまだまだで、「自分にはこれしかできねえしなー」ってある意味で諦めの境地に至った時に、その人の一生の仕事が決まると思っています。まあ、それ言ったら、すべての仕事はそうかもしれませんが。そんな感覚、ありませんか?

天音 私も今この自分のお仕事を10年させていただいているんですけど、これしかできないなというのはわかるかもしれません!

アオキ 10年!?

天音 学生の頃からやっていて、10年くらいです。なので、今から別の仕事をしろと言われてもできないし、やっぱりこれが好きだから他も考えられないですね。でも、御社の面接を受けにくるような方はそう思ってくる方が多いんじゃないですか?

アオキ 経験上、ディレクターになりたい!って言ってる人は、あんまりディレクターになりませんね。なんか色々やってもがいてたら、気づけばディレクターと周囲から呼ばれていた、という人が多いですよ。笑 天音さんだったらどうですか?アイドルになりたいという若い女の子が来たらどんな言葉をかけますか?

天音 私だったら、「やりたいならやってみたら?」と言うと思います!実際にやってみて、大変さを知って辞めてしまう方もいるかもしれませんが……。

アオキ アイドルはそうですよね。長く続けるのは難しい仕事だと認識している人も多いように感じます。

天音 アイドルはキラキラした部分だけを見せているのですが、裏ではもちろん練習の積み重ねがあったりするので、それを知るためにも一度体験してみてもいいんじゃないかなと思っちゃいますね。

アオキ でも、オススメしないというほどではないんだ?

天音 そうですね……私はやっぱりアイドルが好きなので、やってみたらと言っちゃうかもしれません!

映像ディレクターはセミ!?

天音 アイドルは表に出るお仕事が多いですが、映像ディレクターの方は裏で本当にずっとお仕事されていて、それが世に出るまでの期間が長いですよね。

アオキ セミみたいな感じですよね。笑 ほとんどの期間は地中にいて、本当に最後の一瞬だけ地上に出る、みたいな。その後はまた次の作品に向けて地中に戻ると……。

天音 そういうのがあると思うので、脚光を浴びたいとか自分の作品だと大々的に言いたいみたいな人は向いていないかもしれないですね。

アオキ 向いてないですね〜。ただただ作るのが好き、極端な話、誰に見てもらえなくてもいい、単純に作るの好きだから勝手に作ってます、と思える人のほうがいい。そのくらいシンプルにものを作るのが好きな人じゃないと、気持ちが持たないかもしれません。

天音 しかも、世に出したらいろいろな評価が出てしまうわけじゃないですか。良い評価も悪い評価も。ただ脚光を浴びたいという人だったらマイナスな意見に流されてしまいそうです。

アオキ たしかにそうですね。そういう人には向いてないと思います。

天音 きっとそうですよね。

アオキ たまたま今回シノアリスのファンムービーとかは、自分で言うのもあれですけど、凄くご好評をいただいていて。本当にありがたいなとは思っているんですが、一方で、もしもマイナスな意見があっても僕はあまり気にしないです。僕はこの作品を一生懸命作ったという自分の中の満足感があるので、それでいいかなと。

天音 なるほど!

アオキ 誰だって好き嫌いがあって当たり前だと思うので、作品をつまらないと思う権利はみんなに平等にあるはずなんですよね。なので、ファンムービーをつまらないと思ったなら、それで全然構わないし、むしろ、つまらないと思えるほどちゃんと見てくれてありがとうと思います。

天音 それはきっと自分の作品がすごく好きだからそう思えるんですね。素敵だと思います!

アオキ もちろんそれもあるのですが、前にほぼ一人で3年くらいかけて作った60分くらいの作品があるんですけど。

天音 60分はまた結構大変そうですね。

アオキ それが残念ながらあまり見てもらえなかったんですよね。まあ、僕の力不足が原因なんですが。だから、存在を知ってもらえるだけで相当幸せな事だなと。

天音 そうですよね。知ってもらわなきゃ悪い評価も出てこないですもんね。

アオキ この作品、世に出ないんじゃないかという恐怖がすごかったんですね。漠然とではなく。ガチで具体的にそう思っちゃうくらいには難航したんですよ。だから、世に出たこと自体はすごく嬉しかったのですが、それがあんまり多くの人の目に触れないまま終わってしまって……。こんなに頑張ったのに良い反応も悪い反応もないじゃん、みたいな。ただ、とある方がブログか何かに長文でボロクソに感想を書いてくれて。笑 否定的な内容ではあるんだけど、真面目に見てなかったら、これだけの長文を書けないですからね。

天音 それさえも、ありがたい感想という感じですね。

アオキ 下手したら、その感想が一番嬉しかったかも。まー、ボロクソだったんですけど。笑 でも、この人はちゃんと向き合ってくれたんだなと思ったらすごく嬉しかったんですよ。だから、どんな作品も世に出ただけでめちゃくちゃ幸せだし、仮に叩かれたとしてもありがとうございますという気持ちですね。いや、勿論、限度はありますけどね。笑

アイドルとアオキさんとの共通点。

天音 そのお話を聞いて、もしかしたら私たちとちょっと似ている部分があるかもなと思ったんですが、私たちは普段ステージとかに出ていて、良い感想ももちろんあるのですが辛辣な意見をいただくことも多くて。

アオキ きっといろんな意見がありますよね。

天音 最初の頃は自分のパフォーマンスに対しての評価が良くなかった時はすごく落ち込んだりしていたのですが、自分なりに色々と考えて、途中から考え方を変えるようにしました。色々な意見が出るほど自分を見てもらえているんだとか、そんなステージに立たせてもらえているんだとかっていうのは、すごく思うようになりました。一番悲しいのは、私について何も書かれていない事だと気づいたんですね。そういったところがアオキさんと似ているなと思ってすごく共感できました!

アオキ 嫌いなタレントランキングとかよくありますが、あれって有名人しかいないじゃないですか。叩かれるってことはそれだけ多くの人に届いたってことですよね。

天音 誰もが知っている方がランクインしますよね。

アオキ 僕の場合は批判の対象は作品なんですよね。現場でリテイクを出す時にも、後輩の子達に言うんですが、「この色や形が悪いのであって、君が悪いわけじゃないからね」って。そこを切り分けて客観視しないとメンタル持たないぞと。でも、アイドルって評価を受けるのは本人でしょ?

天音 たしかにそうですね。

アオキ そっちの方がよっぽどしんどいんじゃないですか?

天音 そうですね……でも先ほどの考え方に変えて、評価をいただけるだけありがたいし、人に見てもらえるようなお仕事をさせてもらえているんだと思うようにしました。あとは、プラスの意見を多く取り入れるようにしています。マイナスの意見はどうしてもあるし、好き嫌いとかもあると思うので、そういう時は自分の力で改善できるところだけは真摯に受け止めていこうかなと!

アオキ さすが10年だ!いつ頃からそのあたりを切り分けられるようになったんですか?

天音 新人の頃は毎日のように泣いていましたね。5〜6年経ってステージにたくさん立たせてもらうようになってからも落ち込んだりはしていたんですが、応援してくれている方に言ってもらえて嬉しかった事とかをメモして持ち歩くようにして、辛い時にそれを読み返すようにしていました。悪い意見をもらったら今でも悲しくはなりますが、それだけ自分についての話題があるってことはやっぱりありがたいし、意見を言われるほどになれたんだなと思うようにしていますね!

アオキさんの今後の予定は?

天音 いまシノアリスのファンムービーを終えたばかりかと思いますが、次にやってみたいことや次の作品の予定はあったりするんですか?

アオキ やー……。作っていて、本当にしんどくて、投げ出したい時期もあったんですが、実際終わってみると……また何かを作りたいと思っている自分がいますねえ。笑

天音 本当に映像を作るのが好きなんですね!

アオキ ゲーム紹介P Vみたいな指定された内容で短い映像を作る、みたいな案件をテキパキこなしている時ももちろん楽しいのですが、ファンムービーのようなボリューム感があってストーリーのある作品はまた別格だなと。

天音 本当に大盛況で、もっとロングランで続けて欲しかったです!原作のゲームをやっていた方はフルCGでキャラクターが動いて喋るだけですごく嬉しかったんじゃないかなと思いますが、今回モーションアクターもやらせていただいて、キャラクターごとの違いはもちろんシーンごとの動きの違いまで細かくディレクションいただいたので、そういった部分もファンの方に伝わっていると嬉しいなと思いました。

アオキ 盛況だったのは天音さんの演技が良かったからですよ!ところで、モーションアクターをやったのは初めてですか?

天音 初めてではなかったですが、色々なキャラクターを一気に演じる経験は初めてだったので、結構緊張しました。

アオキ 本当にすみませんでした!みんなぐったりしてたよね。笑

天音 ファンの方にも裏側も全部見ていただきたいくらい頑張りましたよね!色々な階段から降りるシーンで段差を変えてみたり。

アオキ 数秒間階段を登るシーンのために、数分かけて階段を作ったりするから、時間かかるんですよね。後半はもう無駄な体力を使えないからみんな無言で黙々と収録していた気がします。笑

天音 それだけ頑張った思い出があるので、実際に劇場で映像を観た時はすごく感動しました。ボイスに加えてモーションまで関わらせていただいて、こんな機会は今までなかったのですごく嬉しかったですし、改めて本当にありがとうございました。

アオキ こちらこそありがとうございました!

アオキさんからの逆質問!

アオキ 天音さんはどうしてアイドルになろうと思ったんですか?

天音 私は、可愛い女の子が好きだったのと、色々な声を使い分けられる声優さんを好きになったのがキッカケです。ちょっとオタク気質なところもあって、高校生くらいの頃は乙女ゲームにはまっていた時期があったんですが、同じ声優さんなのに全然違う声で違うキャラクターを演じている事に気づいて、そこから声優のお仕事に興味を持ちました。それで、アイドルと声のお仕事を両方させていただけるというオーディションがあったので、それを受けたのがスタートですね。

アオキ なるほど。

天音 最初はアニメの中の歌唱を担当させていただいて、今は声のお仕事もやらせていただけるようになりました。

アオキ すごいですね。夢が叶っちゃったんですね!

天音 本当にそうですね。ただのファンだったところから、演じる側のお仕事をさせていただいて、ついに映画館で自分の声を聞ける日が来るなんて!豪華な声優さん方とクレジットで名前を並べさせていただいて、そういう意味でも、夢を叶えさせていただきました。

アオキ 天音さんの声は本当に良い声というか、声の響きや質感が良いんですよね。今回のファンムービーでは音声の編集も僕がやっていて、同じセリフを何十回も聞いたりして細かい調整をしたりするんですが、天音さんの声はあまり加工しなくていいんです。

天音 本当ですか!?

アオキ 演技とは別の話で、声の出し方が上手いんです。声が本当に良質なんですよ。もちろん、演技も上手ですけど。

天音 雛形羽衣ちゃんと一緒に全部の仮ボイスを録らせて頂いたのが最初だったと思うのですが、そこからまさかのギシアン大抜擢だったので本当に驚きましたし、とても重要なキャラクターだったのでプレッシャーが凄かったのを覚えています。それもあって、完成した映像を映画館で見ることができてすごく感動しました。モーションもすごく長い時間かけて作らせていただいたので、キャラクターが動くのを見ながら色々な思い出が蘇りました。笑

アオキ アクションシーン以外は天音さんと堀越せなさんで何百カットも撮りましたもんね。収録の次の日は僕、全身筋肉痛でしたよ。笑

天音 一緒にずっと動きながらレクチャーして下さっていたから!笑

ディレクターの覚悟とは?

アオキ 僕らの仕事って、演者さんに大変なことをさせると自分も大変な思いをするんですよ。笑 以前、鶴見萌さんと一緒に実写のシノアリスの撮影をしたことがあるのですが、キャラクターが辛い目にあうシーンが多かったんですよ。雨に打たれるとか真っ暗な洞窟の中を歩くとか。そういう撮影をすると大体ディレクターも同じ状況にいなきゃいけないので、同じくらい辛い目に遭います。笑

天音 モーションの撮影の時も思ったのですが、言葉だけでも指示できそうな事を自分も動きながら細かいニュアンスを伝えて下さって、そういうところからも作品への愛を感じました。

アオキ 実は学生の時にちょっとだけ演劇部で演劇をやってたんですよ。だから演者っぽいことはある程度経験があって、指示できるかなと。

天音 演劇もやっていたんですか?何でも経験されているのですね!

アオキさんのスキルの幅は広い……?

アオキ ありがたい事に、スキルの幅の広さを褒めていただく機会が多いですが、逆にそれ以外は何もできないんですよ。普通の人ができるような事は大体できない!エクセルとかも使えないし、足は遅いし、車の運転も下手だし、新幹線とか一人でチケット取れません!笑

天音 まあでも、映像ディレクターをする上では足が速いかどうかはあまり……。

アオキ そう、関係ないんです!笑 だからこの仕事してます。最初にお話しした『それしかできない人』の話がここに繋がってるんです!なんて見事な伏線回収。あたかも最初から想定していたかのよう。笑

天音 私もあまり生活力がないタイプなので、まわりの人に助けてもらいながら生きています。でも、だからこそ仕事に注力して良い作品を作ることができていると思いたいです!

アオキ 芸事の世界に生きている人はそういう方が多そう。僕、自分は広い意味で芸人……つまり芸事をする人だと思っているんですよ。そして、芸人はとにかく謙虚じゃなきゃいけないなと思っています。だって、それしかできないんだから!

天音 そうですね。自分でできることはもちろん頑張ります!

プラスアルファを作るお仕事。

アオキ 僕たちが作っているものって、生活に必要なものではないじゃないですか。

天音 そうですね。プラスアルファで色々な感情や感動を与えられるものですね。

アオキ 生きるのに必要なもの、例えば衣食住や安全などは僕ら以外の大多数の方々が担保してくださっているから、僕らは、こういう「無くてもいいけどあったら嬉しいもの」を作れていますよね。まして、それがお仕事になっている。僕らはとんでもない幸福者だなと思っています。

天音 本当にそう思います。エンターテインメントがある時代で、こういう業界があって良かったなって思いますね。

アオキ 平和がなによりですね。平和じゃなかったら絶対にこんな仕事できないですもん。

天音 今の日本に生まれてきて良かったです!

10年の構想の映像化、お待ちしています!

天音 ちなみにアオキさんは猫が好きだと伺いましたが、猫に関するMVとかって作ったりしないんですか?

アオキ 全然ないですね!笑 もし自由に作れるなら……ヨコオさんと一緒にゾンビ映画を作りたいねって話はよくしています。ヨコオさんがストーリーを考えて、僕が監督をする形で、日本の田舎を舞台にしたゾンビものです。

天音 ゾンビものは外画ではよくありますが、日本の作品はまだ少ないですよね。

アオキ 最初はちょっと笑えるゆるーいB級ゾンビ映画なんだけど、そのうち(中略)……といろいろと構想はあるんですが、よく考えたら、もし本当に作った時に超ネタバレになるので、ここは全面カットで!笑

天音 いつかアオキさんが監督をつとめるゾンビ映画が発表されるのを楽しみにしております!

貴重な機会をありがとうございました!

天音 普段こうやってあまり関係のない職業の人と話をする機会はないですか?

アオキ ないですね。基本的に孤独ですからね。なので、今すごく新鮮で面白いです!

天音 私もディレクターの方と職業についてお話しさせていただく機会はないので、色々な楽しいお話が聞けて楽しいですし、こういう機会をいただけてすごくありがたいです!

アオキ 仕事中はどうしてもディレクションの会話しかしないですもんね。このインタビューは結構使えない話も多かったような気がしますが。笑 主にゾンビとか。

天音 またお仕事でご一緒させていただけるように頑張ります!

アオキ こちらこそです!また是非よろしくお願いします!

取材お疲れさまでした!

取材をさせていただくお仕事は初めてだったので、ちゃんとできるかどうか心配ですごく緊張していたのですが、純粋にアオキさんのお話が楽しかったですし、学びになる部分が多くて質問がどんどん湧き出てきました!聞いてみたいことなどをいくつか考えてメモして持ってきていたのですが、それを見ることもなく次々と気になる事が出てきて、たくさんお話しすることができたかと思います。これを読んでくださる方が映像ディレクターというお仕事について気になる事などが聞けたらいいなという思いで、今日は取材をさせていただきました!

私はアイドルと声優というお仕事をさせていただいているのですが、全然違う職業のアオキさんとリンクする部分や共感できる部分がすごく多かったです。アオキさんがおっしゃったように、お互い『芸人』として似たようなお仕事をさせていただいているなと思ったので、すごくためになったし、楽しかったです。自分がやらせていただいているお仕事にも改めて感謝したいなと思いました!またアオキさんとお仕事をさせていただけるよう私も頑張ります。この記事を読んで頂きましてありがとうございました!

第二弾【映像ディレクター編】はいかがでしたでしょうか?

次回もお楽しみに!

二人のプロフィールはこちら!

【天音みほ】

2015年~2018年 AIKATSU☆STARS! に加入し、TVアニメ『アイカツ!』『アイカツスターズ!』において、紅林珠璃・大地のの・香澄夜空・花園きらら役の歌唱パートを担当。

現在は、電音部:東雲和音役など声優や舞台女優としても活躍中。

【アオキタクト】

株式会社ILCA所属。映像ディレクター。バンドマン、個人映像作家としての活動を経てILCA入社後、『NieR』シリーズや『シノアリス』に携わる。ファンムービーでは監督のほか、音楽制作など幅広く担当。

アオキタクト監督・天音みほさんも出演するファンムービー『シノアリス 一番最後のモノガタリ』に関するお知らせ!

<Blu-ray 商品概要>

【発売日】2024年6月6日

【価格】6,900円(税別)

【Blu-ray仕様】本編DISC1枚 本編:約65分+特典映像:約5分

【封入特典】特製シール5枚組

【映像特典】予告編、シノアリス サービス終了記念座談会 ダイジェスト

【音声特典】オーディオコメンタリー

(出演:アオキタクト、ヨコオタロウ、天音みほ、雛形羽衣)

【おまけ】ケース内側ジャケットには書き下ろしショートストーリー”一番最後のギシアン劇場”を掲載

※特典内容・仕様は予告なく変更になる場合がございます。

【発売元】株式会社ILCA

【予約サイト】https://sqex.to/hpSv5

<動画配信サービス概要>

【U-NEXT】 https://sqex.to/2cIDu

TVOD(レンタル)440円

【Amazonプライムビデオ】 https://sqex.to/U4kLe

EST(購入)2,000円/TVOD(レンタル)400円

※視聴方法、視聴期間、価格等はサービスによって異なる場合がございます。各サービスにてご確認ください。

『SINoALICE ーシノアリスー』とは

ポケラボとスクウェア・エニックスが贈るスマートフォン向けバトルファンタジーRPG。

本作では、原作・クリエイティブディレクターとして「NieR」シリーズ、「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズを手掛けたヨコオタロウ氏、音楽には「NieR」シリーズ、「ドラッグ オン ドラグーン 3」でヨコオタロウ氏とタッグを組んだ岡部啓一氏・MONACA、キャラクターデザインは新進気鋭のイラストレーターjino氏を起用しています。

※2024年1月15日12:00をもちまして、「シノアリス」はサービス提供を終了いたしました。

・SINoALICE 公式サイト:http://sinoalice.jp

・SINoALICE 公式 Xアカウント:https://twitter.com/sinoalice_jp

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