AsIs北川姫子の、魅力に「ピント」vol.3 ゲスト:茜音ぱぴこ(UtaGe!)
AsIsの北川姫子が、気になるアイドルの魅力にカメラを向ける連載『AsIs北川姫子の、魅力に「ピント」』。北川自身が私物カメラでゲストのオフショットを撮り下ろす「マイカメラで、撮ってきたがわ」と、アイドル同士だからこそ聞ける質問コーナー「気になるお話、聞いてきたがわ」の2本立てでお届けする企画だ。
vol.3のゲストは、UtaGe!の茜音ぱぴこ。北川が以前から「あおり」のうまさに大尊敬してきたという相手で、撮影を終えたふたりはそのまま質問コーナーへ。あおりの声の出し方や間の取り方から、ステージ上での存在感の作り方、フロアを巻き込む一体感の生み出し方、緊張との向き合い方まで、ライブパフォーマンスの核心に迫る対談となった。


北川:撮影、暑い中ありがとうございました!
茜音:こちらこそありがとうございました。
北川:どうでしたか?
茜音:めっちゃ楽しかったです!ポーズの指示を出すのがすごく上手で、こっちもやりやすくて。写真の腕前もさることながら、ポーズの指示も完璧で、本当にカメラマンにもなれそうだなと思うくらいでした。
北川:わー、ありがとうございます!私、ぱぴこさんをずっと大尊敬しているので、こんな風に撮らせていただける日が来るなんて夢みたいです。
茜音:やばい、そんな風に思ってくれていたんだ……!ありがとうございます。


あおりの声の出し方・届け方
北川:たくさん質問したいことがあって!私、ぱぴこさんのパフォーマンスの中でも一番尊敬しているのが「あおり」なんです。動画もたくさん流れてくるし、ライブを見学させていただいた時もすごいなっていつも思っていて。私は本当にあおりを頑張りたいのに、声が裏返っちゃったり失敗することが多くて……。あおりをする時の声の出し方や間の取り方など、意識していることや届け方のコツはありますか?
茜音:私は結構、いろんなアイドルさんのあおりを聞いていて、聞き取れないと「今なんて言ったんだろう」って自分が思っちゃうタイプなんです。だからちゃんと聞き取ってもらえるように、ゆっくりあおろうと意識しています。テンションが上がるとバーッと喋っちゃう時もあるんですけど(笑)。あと、あんまり高い声であおるとキンキンしちゃって「うるさい」と思われる方が多くて、言葉として届かない気がするので、できるだけ低い声であおるようにしています。あとは息をめっちゃ吸います!吸わないと息が足りなくなって声が裏返ったりうわずったりして、良いことを言っていても格好悪く聞こえてしまうかもしれないので、とにかくたくさん吸うようにしていますね。
北川:いろいろ考えていらっしゃるんですね……!声のかけ方も出し方もすごく印象的で、「ぱぴこさんというブランド」があるなと感じています。
茜音:嬉しい!でも、あのようなあおりをすると、喉が弱い人は多分潰しちゃうと思います(笑)。
北川:えー、喉が強い方なんですね!
茜音:喉はめっちゃ強いです、多分遺伝ですね。お母さんもすごく声が大きくて、斜め隣の家の同級生に「朝だよ、起きろ!」って声が聞こえていたことが判明したくらいなので(笑)。
北川:本当に声が通る印象がありますし、あおりの言葉選びもすごく素敵だなと思ってます!ぱぴこさんのあおりの動画がSNSで話題になっているのもよく見かけて。AsIsのメンバー同士でも「ぱぴこさんみたいにあおれるようになりたいよね」って、楽屋で何回も話すくらいで。
茜音:嬉しいです。
北川:言葉選びもすごくて……私は今日何を言おうかなって考えても、結局いつもと同じことを言っちゃったりして悩むんですけど、ぱぴこさんはどうやって言葉を考えているんですか?
茜音:私も結構、ちょっと恥ずかしい話、事前にちゃんと準備しています(笑)。その日のフェスならタイムテーブルや、平日か休日か、夜か昼かとか。あと前後に出るグループさんとか。「ここは盛り上がるグループさんが固まっていて、最後にうちがいるんだな」とか「一番最初にうちがいるんだな」とか、被っているお客さんの傾向や、野外か室内か、主催のグループさんとの関係性とか、全部考えていることが多いですね。結構盛り込みたい要素が多いので、事前に考えていっちゃうタイプです。もちろん、その場で言いたいことを言う時もありますけど。
北川:分かります!私も葉選びにめっちゃ時間かかっちゃうんですよ!
茜音:分かります、めっちゃ。同じようなこと言っちゃってるなって思う時、私もめっちゃありますよ。
北川:すごいなって思って見ていました!参考にさせていただいて、私も頑張りたいと思います。


ステージ上での存在感・立ち姿
北川:あおりもそうなんですけど、まずぱぴこさんは存在感がすごくて!自分もステージ上で思わず目がいってしまうような存在感を放てるようになりたいんですけど、立ち方や見せ方で意識していることはありますか?
茜音:ひめこさんこそめっちゃ目がいきますよ、ってずっと思っていました(笑)。
北川:いやいや、そんなことないです(笑)。
茜音:私から特にこれというのはないんですけど……あまり良い話ではないかもしれませんが、あおりが終わった後などに0.5秒だけその場にとどまって、すぐ戻らないようにしています。自分を見せる時間をあえて作るというか。みんなが歌っていて自分はあおり終わり、というタイミングでそれをやったりします。グループとしては良くないのかもしれないし、グループのカラーもあると思うんですけど、その瞬間だけ他のメンバーよりちょっと目立ってやろうっていうビジュアル的な意識があると、目立てるかもしれないです。
北川:すごい……!自分のパートでもそういうことを意識したりするんですか?
茜音:そうですね。うちはライブでお立ち台を使っているので、そこにちょっと飛び乗ってみたり、際どいところで飛び降りてみたり。他の人とちょっと違う動きをしていると目がいくじゃないですか。そういう動きを使ったりしますね。
北川:確かに、めっちゃピョンって動いているの見たことあります!最近もマイクを通さずにあおっている動画が流れてきて、それめっちゃ話題になってましたよね!
茜音:あれは感覚というか……出ながらあおらなきゃいけないタイミングで、出ている途中に喋り出したらマイクが入っていなくて。「なんやねん」と思って、じゃあもういいやと思って肉声でガーッとあおったのがあの時です。
北川:瞬時に判断したんですね、すごい!
茜音:そうです、もう。マイクが入っているのが一番いいんですけど、動画でもちゃんと聞こえていて、確かにマイクを通さなくてもいいくらいの声量で喋っているんだなって自分でも思いました。
北川:えー、逆に「あれ、マイク入っているのかな」って思うくらいでした!
茜音:嬉しいです。



フロアとの一体感の作り方
北川:私自身もっと前に出たいし、ぱぴこさんみたいに熱く騒ぎたいと思っていて!ぱぴこさんは、良い意味で壊れちゃうんじゃないかと思うくらい限界でやっているパフォーマンスがすごく好きで。ライブを拝見していると、ステージとフロアの一体感がすごくて、会場全体でライブを作っているように感じます。フロアを巻き込むために一番大切にしていることは何ですか?
茜音:でも、うちみたいなグループの方がやりやすいと思うんです。AsIsさんのように「パフォーマンスで見せて」会場を沸かせる方が絶対に大変だと思っていて、こっちの方が単純というか、分かりやすいので。私は結構、ステージの行ける端まで走っていって、前や後ろのお客さんに絡みに行ったりします。
多分そうすることで、自分もフロアの一人なんだって自覚してほしくて。お立ち位置があるので、そこから「お前見てるよ」って指差ししたりとか、分かりやすくやっちゃうかもしれないです。あとはあおりの時に、フェスとかで端のテントで休んでいる人にも声は届いているはずだから、わざとそこをあおって「一緒に入らない?」って呼びかけてみたりもします。それでも、ちゃんと巻き込みきれているかは自分の中でまだ課題ですけど。
茜音:そちらの系統のグループさんの方が難しいと思います!
北川:でも私達もいろんな系統の曲があって、すごく熱くなれる楽曲も何曲かあるので、そういう時は一気にガラッと雰囲気を変えなきゃいけなくて。それがなかなか難しいんです。そういう時はそれこそUtage!さんのパフォーマンスをすごく参考にさせてもらっています。
茜音:結構オーバーにやるのが良いのかもしれなくて、雰囲気を変えなきゃいけない時は、自分が150でやったら100くらいで伝わると思うので、わざとらしいくらい派手にやったりします。ちょっとふざけた歌詞だったら、うまく歌おうとしないで自分もふざけて歌うとか、そういうのは結構やるタイプです。
茜音:めちゃくちゃパフォーマンスが良いので、私からはそんなに言うことはないんですけど……
北川:いやいや!



緊張・怖さとの向き合い方
北川:私自身、もっと前に出たい、もっと騒ぎたいと思っていても、緊張や怖さが勝ってしまうことがあって……。AsIsとしての課題でもあるんですけど、なかなか初心者感が抜けなくて。でも、ぱぴこさんも実は緊張するタイプだって聞いて、それでもステージ上で振り切るためにしていることはありますか?
茜音:あります、めっちゃ緊張します!私は緊張しいで、いつも袖でメンバーの誰よりも「あと5分ください」とか言っちゃうタイプで。他のメンバーより先に楽屋に出て、袖で座り込んでギリギリまでずっと確認しています。それでも結局、満足いくまでっていうのはなくて、ずっと不安なんですけど、それだけいっぱいやると、ステージ中は意外と周りを見ながら音を聞きながら、あおったり喋ったりパフォーマンスできるなって思います。
北川:なんだか意外な一面というか……そういうところをステージ上で見せてないのがすごいなって!
茜音:見えていなかったら幸いです(笑)。本当は、バーッと出てバーッとやってバーッと帰りたいんです、その方がかっこいいじゃないですか。全然そんなことなくて、SEで出ていく時も、後ろで一列に並んでいる時に一人で深呼吸したりしています。
北川:えー、毎ライブ緊張するんですか?
茜音:めっちゃ緊張します。15分くらいの出番でもフェスだとめちゃくちゃ緊張して、嫌だなーって思います。最近TIFのメインステージに立たせていただいた時も、ずっと目指していた場所だからということで、スタッフさんに「動画を撮らせてもらっていいですか」って聞かれたんですけど、「今は本当に喋れる余裕がないんで無理です、私にその時間はありません」みたいな感じで(笑)。アイドルとしては、オフショットとか撮れていなくて良くないかもしれないんですけど。当日もライブがあるからってあまり意識せずに、何も考えずに支度して向かうようにしています。
北川:わかります!事前に何かあるよって言われると「待って待って、確認が終わっていない」ってなっちゃいます。
茜音:めっちゃわかります。何時間あっても足りないくらいで、不安になりますよね。


殻を破れた瞬間
北川:活動を続ける中で、自分の殻を一つ破れたと感じた瞬間やきっかけがあったら知りたいです!
茜音:いつも「これができないな」ってつまずくのが毎シーズンくらいあって、気づいたら「最近これで悩まなくなったかも」っていうのが多くなった時に、じゃあ殻が破れていたんだなって思う感じで、その瞬間に「今、殻が破れた!」っていうのはあんまり自分の中ではないんです。
ただ、一番最初にぶつかって「殻が破れない」って思ったのは、UtaGe!に入ってすぐの頃で、その頃は今の感じじゃなくて、どちらかというと「お客さんはこういうのが好きだよね」っていう可愛い声で歌ってみたり、自分がよく見えるように自分の範囲で踊るみたいなことをやっていて、それが自分の中での正解だと思ってできていたんです。UtaGe!に入った時に、プロデューサーに「そうじゃない」ってすごく言われて。自分はこれが正解だと思っていましたし、自分の100%は出しているのにそうじゃないと言われて、すごく悩みました。
北川:そこからどうやって今の自分まで持っていったんですか?気になります!
茜音:めっちゃ泣きながら、本当にぐちゃぐちゃになりながら、もう一回200%にしてからきれいに整える作業に戻したというか。その時は「他のメンバーより歴が長いのになんで目立たないんだ」ってすごく言われて、じゃあもうどうにでもなれと思って、正しい振り付けを全然踊らずに自分だけ目立つようにしたこともありました。結構最低なんですけど(笑)、そこからみんなに合わせて戻るっていうことをしたりして。でも最近は「本当にもうできないからやめよう」って思うことが減ったので、そういう意味では最近また一つ殻が破れたのかなとは思います。
北川:泣きながら200%に戻すって、すごく苦しい作業だったと思います……!でも、そうやって振り切ったからこその今のぱぴこさんなんですね。私も、ぱぴこさんの殻を破ってるパフォーマンスにすごく刺激をもらってます。初めてちゃんとお会いしたのが、確か2年前くらいの[1] 「アイドルお宝くじ」で、AsIsとUtaGe!さんが決勝戦で一緒になった時で。あの時ぱぴこさんのパフォーマンスを見て、私も「殻を破らないと」って思った瞬間でもあったんです。
茜音:こちらから見てたら、AsIsさんがすごすぎて「負けた」って思ってたんです。
茜音:だから、そう思ってくださってたなんて、ちょっとびっくりです、今!
北川:その時は緊張で、もう脳が死んでいました(笑)。あんまり記憶がないくらいで。
茜音:歌がうまくてパフォーマンスも良くて、すごいなーってずっと思って見ていました。
北川:ありがとうございます!自分の中でもすごく印象に残っている日だったので、今日お会いしてお話しできて、すごく嬉しいです。
茜音:嬉しいです。



日頃のトレーニング・習慣
北川:ライブのために、日頃続けているトレーニングや習慣があれば教えていただきたいです!
茜音:ずっとやっているわけではないんですけど、UtaGe!では毎年、特に夏前とかにグループの課題として、プランクをしながら1曲丸ごと歌うっていう課題が出るんです。自分のパート以外も全部歌わないといけなくて、結構きついですけど(笑)、3年くらいやっているので今は4分くらいなら平気です。
それをやると体幹もしっかりするし、ライブ中に本当に疲れなくなるので、おすすめです。ワンマン前とかは特に毎日課題が出て、4分間動画を回して歌っているところを送らなきゃいけなくて。二回しの日とかは免除してもらえることもあるんですけど、基本毎日です。部屋が汚いので、まず部屋を片付けるところから始まって、ちょっとどかしてプランクして、みたいな毎日を送っていました(笑)。今はTIFまで一旦やって、お休み期間中です。
大事なライブの前は湯船に浸かりながら、フェスだったら主催のグループさんとの思い出を振り返って、「明日こういうこと言いたいな」って考えたりもします。ライブ前のルーティーンでいうと、早めに袖で座り込んで考えるのと、あとは本当に良くないんですけど、緊張で心臓がバクバクいって嫌なので、自分の心臓の上あたりを物理的に殴ったりしています(笑)。皆で手を重ねる普通の円陣も前はあったんですけど、デビューする時にプロデューサーから「ダサいから二度とやらないでください」って言われてからはやってなくて。全員センスがなくてできないので、今は音が袖まで響くくらい強く一発だけやる感じです。発声練習もしますし、でっかい声で叫んだり伸びをしたりして、それを聞いたメンバーに「そろそろライブ10分前かな」って言われるくらいです(笑)。
北川:プランクしながら1曲丸ごと歌うの、想像しただけできつそうです……!心臓を物理的に殴るのも初めて聞きました(笑)。私も真似できるところから始めてみます!
落ち込んだ時の立ち直り方
北川:自分はネガティブで落ち込みやすい性格なんですけど、ぱぴこさんは悩んだ時、どう立ち直っていますか?教えてほしいです!
茜音:あります、めっちゃ失敗したことを突然フラッシュバックして「うわーっ」てなったりします。けど、それはもう放置するしかないので放置して。私は寝て起きたらケロッとできちゃうタイプなので、そこはラッキーだなと思っています。本当にもう無理って思ったら、泣ける映画とか音楽とか何でもいいので聴きながらめっちゃ泣いて、スンって落ち着いて寝ます。「なんでこんなに泣いているんだろう」って思うくらい泣いて、そのまま寝ちゃう感じです。
失敗も本当にとんでもない数してきていますけど、失敗を重ねれば重ねるほど気にしなくなるので、大丈夫だと思います。最近は失敗したあおりの映像を見ても「うわー」ってならなくなってきました。前まではライブ映像を見返せなくて、どこで失敗しているか分からないから見るとうわーっとなっちゃっていたんですけど、最近はちょっと慣れてきました。数をこなしていくしかないかもしれないです。
北川:わかりました!数をこなすの、私も頑張ります。たくさんライブして頑張っていきますね!


もしもトーク
北川:最後に、毎回恒例にしている「もしもトーク」です!ぱぴこさんがバンド好きと拝見して、私もバンドが好きで実際にバンド活動をしていたこともあるのですが、もし一緒にバンドを組むとしたらどんなバンドにしたいと思いますか?何か楽器をやられていたことはありますか?
茜音:ひめこさんもバンドやられてたんですね!何年間かピアノをやっていたんですけど、練習が本当に嫌いで全然上達しなくて(笑)。練習していないのがバレないようにどう弾くかばかり考えていました。今は何も弾けないんですけど、もし組んでもらえるなら、これを機にギターを練習してみたいです。アイドルバンド、やってみたいですね!
茜音:ひめこさん、歌が本当にうまいから、ボーカルをやるのは申し訳ないくらいで……。
北川:やってください、やっていただければ嬉しいです!
北川:どういった系統の曲を聴くんですか?気になる!
茜音:暗い曲が結構好きなので、AsIsさんの暗めの曲とかも結構好きで。歌詞が良い曲を歌いたいです。
北川:じゃあ作詞、一緒にやりましょうか!1から10まで全部、共作しましょう。いつか叶えましょうね。
茜音:嬉しいです!
北川:今日は撮影とインタビュー、本当にありがとうございました!
茜音:嬉しかったです。
北川:これからもご一緒できるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします。
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