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【群青の世界】結成3周年を兼ねたWinterツアーのファイナル公演「僕はここにいる 君もここにいる」@恵比寿ガーデンホールライブレポート!

dot yell編集部
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11月20日の宮城公演を皮切りに、大阪、愛知と続いた群青の世界のWinterツアー。そのツアーファイナル公演「群青の世界 Winter Tour 2021 Tour Final &3rd Anniversary Live『BLUE SYMPHONY』」が、12月5日(日)に東京は恵比寿ガーデンホールで行われた。この日は、結成3周年記念も兼ねて開催。群青の世界の3年間の歩みを詰め込んだ内容にもなっていた。

 
客席後方まで人で埋めつくされた場内。今の、群青の世界への期待が見えてくる光景だ。これが、3年間という彼女たちの歩み。3年間という歩みが描き出した心動かす景色だ。

 
群青な光が包み込む空間へ、壮麗な楽曲(SE)が流れだす。その音の中には、いろんな群青の世界の楽曲のフレーズが輝く星の欠片のように散りばめられていた。会場中に響き渡る美しい音色へ導かれるように、メンバーたちがゆっくりと姿を現した。

 
5人は、群青の世界の始まりの歌「アンノウンプラネット」に乗せ、心地好くステップを踏みながら歌い躍りだした。「僕はここにいる 君はどこにいる?」、自分たちを輝かせるこの場所に立ち、大きく深呼吸をしながら、彼女たちは、ここに集まった仲間たちと一緒に、この星(場所)から新しい物語を綴ろうと誘いをかけてきた。たとえそこが迷い、葛藤を覚える闇の中だとしても、自分たちの信じた強い意志や想いに熱いエールを送ってくれる仲間たちがいるのを知っているからこそ、5人は一緒に走り出そうと歌っていた。「僕はここにいる 君もここにいる」。だからこそ、この空間を青の世界へ一緒に染め上げ、未来への道を描いていこう。


 彼女たちは、暑い日射し降り注ぐ夏へ見ている人たちを連れ戻した。群青の世界は、「真夏のヘリオス」や「青い光」など、夏を舞台にした眩しい青春模様を描いた曲を歌っていた。彼女たち自身が恋に恋する乙女となり、物語の世界へ飛び込んでいった。時折、弱い心模様も見せつつも、願い叶うと信じながら真っ直ぐに想いをぶつける彼女たちの姿が、そこにはあった。

 
「こんなに美しい色(カラー) 知らないまま」。メンバーの工藤みかが作詞をした「COLOR」でも、5人は挫けそうな気持ちを鼓舞しながら、力強く思いをぶつけていた。たとえそれがもどかしい心の叫びでも、それを未来へ突き進む力に変えようとするからこそ、その歌声やパフォーマンスに気持ちが熱く揺さぶられる。


綺麗な服で装えばシンデレラになれるわけではない。夢や目標に本気で向かう姿を重ね続けることで自分が本当の意味で輝きをまとえるのを彼女たちは知っている。だからこそ、触れた瞬間から気持ちに熱いときめきを注ぎ込む「シンデレラエモーション」を歌いながら、「一緒に輝こう」と5人で想いを交わしあっていた。力強いパフォーマンスや眩しい笑顔こそ、最高のドレス服だ。彼女たちは「ずっとずっと青春だ」と歌いながら、眩しさが消えることのない青春という物語を彩るシンデレラになっていた。


 胸に抱えたもがき葛藤する思いを吐き出すように歌った、「夢を語って生きていくの」。「ほんとの僕はどこ? 出口があるのなら教えてくれよ」と、渦巻く葛藤した思いを吐き出すように歌った「ロールプレイ」と、5人は、もがく気持ちさえ熱唱した歌声で燃やし尽くすように歌っていた。群青の世界には、弱い自分を認めながら、そんな自分を輝きに変えようとしていく歌が多い。それが、「その先へ」進む道だと知っているからこそ。彼女たちは自分たちを輝きに変えようとしてゆく。

 
 冒険心を掻き立てる「Quest」では、背中を押す言葉を5人が無邪気な笑顔で伝えながら、旅へと誘いをかけてきた。続く、キラキラした眩しさを振りまくように歌った「青空モーメント」では、彼女たちの誘いに乗り、青春という無邪気で無敵になれる世界へ一緒に飛びこんでいった。目の前に広がるドキドキとした景色の一つ一つを心のシャッターを押し、思い出のフォルダへ溜め込みたい。そんな素敵な気持ちに「Quest」や「青空モーメント」が染めてくれた。さぁ、一緒に「はい、ち~ず!!」と声を上げながら、この瞬間瞬間を心のネガフィルムの中へ焼き付けようか。

 
MCでは、メンバーみんながめちゃくちゃ楽しいと、笑顔で語りあっていた。他にも、ツアー先で食べた牛タンやたこ焼きの味が忘れられず、東京に戻ってからも牛タンやたこ焼きを食べていたことも語っていた。

 
メンバー人一人が「もし、一つだけ願いを叶えられるなら」と願うように歌いだした。その思いを受け、楽曲は一気に眩しい輝きをまといだす。「メロドラマ」だ。その光へ誘われるように、フロア中から熱い手拍子が飛び交う。「そっと目を閉じて描く君との物語」と願うように歌う5人の姿が、とても眩しい。軽快にステップを踏みながら、物語を描くように歌う彼女たち。いつの間にか物語のその先の景色を、彼女たちの歌声を追いかけながら妄想していた。「もし一つだけ願いを叶えられるなら」、あなたはどんな願いを彼女たちの姿に重ねてゆくだろうか。

 
「青い空を壊してしまえば 僕たちは自由になれるかな」と歌う姿に、気持ちが嬉しく奮えた。5人は「BLUE OVER」を歌い叫びながら、もどかしさに心震えながらも、今を打ち壊し、未来をつかもうとしていた頃の自分たちを思い返していた。続く「アイ・ワナ・ビー」でも、そう。脆い感情にいらだっていた頃の自分たちに立ち返り、衝動に突き動かされるまま気持ち奮わせ何事にも向かっていたあの頃の自分を取り戻していた。他と同じじゃない、自分だけの色を心に塗りこめようと、自分の気持ちへ言い聞かせるように5人は歌っていた。群青の世界が、3年間で今の位置にいるのも、それぞれが自分の色を、他とは混わらない群青の世界としての揺るがない色を持っているからだ。


「新しい季節に描いた物語 誰も知らない未来の扉を開いて」。工藤みかが作詞をした「カルミア」を、5人は歌声を重ね合わせ、アカペラで歌いだした。楽曲が力強い音を響かせるのに合わせ、5人の歌声にも力強さが漲りだす。同じく、工藤みかが作詞をした「Puzzle」でも、「僕の声 君の声 重ねた歌を」と、メンバーそれぞれが歌声をリレーする形で歌っていた。2曲とも、強い勇気と願い、意志と決意を持った歌だ。前を向くいろんな思いのピースが埋まることで、その願いや思いは形を成す。そう信じるように彼女たちは、舞台上でダイナミックな動きを見せながら「カルミア」や「Puzzle」を歌っていた。その歌声が、自分を輝かせ、前へ突き動かすピース(姿)に変えてくれた。そのピースをもっともっと集めて、さらに大きな景色をみんなで描きたい。そんな気持ちにも心は染まっていた。

 
「みんなで一緒に新しい時代を作りましょう」。最後に群青の世界が発した思いが「僕等のスーパーノヴァ」だ。壮麗でパワフルな楽曲の上で、彼女たちが一つ一つの輝く光となり、見ている人たちの心へ、光射す世界へ一緒に飛びだそうと誘いをかけてきた。力強く高く掲げた腕に、同じように手を伸ばし思いを重ねあいたい。そこで繋がり、生まれた思いが、一緒に青い世界を作り、育てあげる力や糧になる。さぁ、ここから4年目という新しい物語を一緒に作ろうじゃないか。

 
アンコールの最初を飾ったのが、杉山勝彦が手がけた新曲の「However long」。メンバー一人一人の語った言葉を、「わたし」という一人の女性に投影し、制作。とても華やかな、希望に満ちた楽曲だ。メンバー一人一人が胸に抱えている思いを、一人の女性の中へ詰め込み、届けてきた。恋する女性の胸の内を記しながらも、歌詞の端々から見えてくる、弱い自分を認めながらも、メンバーそれぞれが胸に抱いている前向きな心の揺れ。それを、ぜひ感じ取っていただきたい。5人が「君へ!!」と力強く指さし歌うポーズにも、ドキッとするはずだ。

 
群青の世界が描きだした物語は、たった三章しか進んでいない。彼女たちが胸に抱いた物語の大きな展開は、まだまだ遠い先にある。たとえ何度間違った道へ進んだとしても、それさえもすべて自分たちが輝くための糧にしながら、これまでもそう。これからも群青の世界は進み続ける。「最終章のないストーリー」に触れながら、「何度でも そう 何度でも 新しい明日迎えにいこう」とがむしゃらに歌う彼女たちの声を受けとめながら、終りなき物語の続きを、これからも絵筆を進めるインクとなり一緒に書き記していきたいと思っていた。

  
最後に彼女たちは、群青の世界の始まりの景色をこの空間へふたたび描き出すように、思いを強く込めながら「未来シルエット」を歌っていた。歌が響きだすのに合わせ、フロア中に青いサイリウムの光が輝きだす。「同じ明日を 同じ時を 夢見てしまったんだ」と彼女たちは歌っていた。「未来シルエット」に触れるたび、自分らしさを持って、自分が信じた夢を握って一歩進めば、そこへ素敵な物語を記せる。この歌は、メンバーを、そして、群青の世界を応援する僕らを、自分らしさを胸に未来へ歩みだそうという気持ちにしてくれる。眩しい光が生み出した心の影も、そこに添えながら…。

 
「この1年間は本当に濃くて、あっと言う間でした。それぞれ、ときには不安や葛藤など、いろんな気持ちになることもあったけど。そういうときも、側でみなさんが支えてくれて、憧れだったステージに立てたり。いろんな経験をすることが出来ました。群青の世界にとって自信のついた1年だったと思います。4年目も、この4人を応援して良かったと思っていただける。そして、安心していただける居場所を、私たち5人がこれからも作っていきたいと思っています。これからも一緒に「楽しい」を共有していきましょう。4年目も、応援よろしくお願いします」(横田ふみか)

 
群青の世界は、2月よりさらに規模を拡大した全国ツアーを行うことが決定した。さらに、定期公演の開催も行う。これからの群青の世界の活動も、しっかり追いかけてもらいたい。


PHOTO:Kairi Murotani


TEXT:長澤智典


セットリスト


「アンノウンプラネット」

「真夏のヘリオス」

「青い光」

「COLOR」

MC

「シンデレラエモーション」

「夢を語って生きていくの」

「ロールプレイ」

「Quest」

「青空モーメント」

MC

「メロドラマ」

「BLUE OVER」

「アイ・ワナ・ビー」

MC

「カルミア」

「Puzzle」

「僕等のスーパーノヴァ」

-ENCORE-

「However long」(新曲)

「最終章のないストーリー」

「未来シルエット」

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